加工の依頼を受注しますた(・ω・)
ナットにワイヤリング用の穴を加工してちょーだい
・・・てなご依頼。
けっこームズカシイんですよね
真っ直ぐ穴が開かない~(´д`;)って苦労致します。
そもそも・・・
ドリルってのはイキナリ穴あけしようとしたって
狙ったトコに開かないヤツなんでございます。
まぁ相手が木とか柔らかい材質なら大丈夫ですけど
金属とかなら・・・
センターポンチ使ってカーン!と凹みを作りますよね
アレ・・・なんで必要なんでしょうか?
この話、以前にもネタにしてるんですけどね
ネタが乏しいので
嫌がらせのように繰り返したりしますよw
答えは~
ドリルの先端が刃じゃないから・・・です。
ドリルの刃を刃先の正面から良く見ると~
一番先っちょの部分は1本の直線になってます。
コレを『チゼルエッジ』って言うんですけどね
簡単に言えば三角屋根の稜線みたいな感じで
面と面が合わさった直線なんです。
だから相手を切ったり削ったりするコトはほぼ出来ないコなんです
だからドリルの刃を固い材料にいくら押し付けても
マイナスドライバーを押しつけてるのと似たようなモノ・・・
その状態で回転させたら
くりくりとスリコギ運動をして狙ったトコになんて穴は開きません。
(ドリルによっては・・・このチゼルエッジをS字状に研磨して
求心性を持たせてる研ぎ方をしてるモノもありますが~
ココでは通常一般的に入手できるストレートドリルの話に限定してます)
・・・で
そのチゼルエッジの長さが収まるぐらいの径で
凹みを付けてやると・・・逃げない訳ですし
チゼルエッジの端から刃の部分が始まるんで~
凹みの中で刃の当った部分から材料が削られていき
穴が開くってシステムになってございます。
チゼルエッジの長さは
そのドリル径と比例して変わるんで~
細い径だとチゼルエッジも短くなって逃げにくくなる・・・んですけど~
ふつーのドリルって刃物は直径に対して細長いもんですから~
剛性が低くて結局トルクに負けてたわんだりしちゃうので
狙ったトコに真っ直ぐ穴を開けるのはムズカシイってな事になる訳です。
まぁソコをテクニックで何とかしたりとか出来る職人さんも多いんですけどねw
それでもムズカシイのが~
今回のお題。
ナットの角度の付いた面に穴を開けるという作業
角っちょに穴です
このような加工は
いきなりふつーのドリルで開けようとしても
まず刃先が逃げて穴が開きません。
出来るだけ面と垂直に近い角度で開け始め
だんだん角度を付けて行こう・・・なんて小細工しても
どんどん刃先は角の方に寄って行き・・・
しまいにゃ破れてミゾになっちゃったり刃が折れたり。
結局切削抵抗の少ない方へ刃が寄って行っちゃうんですよね~
今回開けてる穴の径は2mmなんですけど
2mmなんて太さのドリルの刃なんて剛性が低くて
簡単に撓みますから真っ直ぐ掘り進もうなんて困難
じゃあどげんすっぎよかとですかっ?!(ではどうすればよいのですか?)
ドリルの強い子を使うw( ̄ー ̄)
なんだかヘンなドリルが付いてますが~?
コレは旋盤なんかの芯押し(センター)用の穴を加工する
『センタードリル』っていう刃物なんですがね
細くて短い刃先が有ってその上は60°のテーパーになった刃になってます。
そしてチャックする軸の部分(シャンク)は太い。
ちなみにこの時使ったヤツのサイズは
先端の刃先の直径は2mmで長さはたったの3mm
そして軸の部分の径は6mm有ります。
直径2mmの刃先のちいさなチゼルエッジに対して
軸径が6mmでしかも全長が短いのですからから~
撓みません!刃先がクリクリと逃げない訳です。
この剛性の高さを利用して~
ポンチよりさらに深いパイロットホールを作っちゃいます。
その穴をふつーのストレートドリルで貫通させて
ワイヤリング用の穴を加工したのでございますよ~(^。^)v